着物のドレスコード3
先回まではお着物を中心にお話いたしました。
今回は帯について。今年は7・8・9日と、三連休のためか
成人式があちらこちらで、開催されていますね。
相も変わらずお嬢様方の、ふわふわ白いショールが
式の会場内でもそのまま・・・。
会場のお世話役の方々の気配りのなさが、残念です。
そうなんです。コートのままでは式には臨みませんよね。
ショールは、着物用のコートの代理です。
会場の中では、お外しくださいね。
今日から大人‼のあなた、こんなマナーも大人になってくださいね。
さて、着物の帯ですが帯にも約束事があります。
帯びの格付けとしていうなら
1、丸帯 裏も表も、同じ織でできている。
染で裏表で使える帯びは、
昼夜帯といってまた別です。
第一礼装用、花嫁や第一礼装に結びます。
2、袋帯 丸帯と同じ4ⅿ60㎝ほどの長さですが、
裏と表の生地が違っています。
二重太鼓や飾り結びをします。
礼装用からしゃれものに結ぶものまで
柄の格や織り方、染め物もありますので
一番、多く出回っている帯といえます。
3、名古屋帯 戦後開発されたといわれる一重のお太鼓用の帯
この帯も、柄付けや織などでセミフォーマルから普段使いと
幅広く活躍しています。長さは、3,6ⅿ前後。
4、半幅帯 日常着に向いています。正し、近頃は洒落半幅として
華やかな金糸銀糸遣いで長さが4ⅿのパーティー用の
半幅もあります。どんなに華やかで格のある柄付けでも
この帯は、あくまでもおしゃれ着です。
ほかに男性用子供用のものもありますがそれはまたの機会に・・・。
さて、この成人式に出席のお嬢様の中に
帯を「前帯」と言って、おなかの上で結ぶ飾り結びをして
いらっしゃる方をお見かけしました。
実は、帯を前で結ぶのは
江戸時代の遊女たちの結び方です。
江戸の中ころまでは人妻も、前結びでした。
振袖そのものが、未婚の女性の正装ですから
いわば大人の世界へのデビュー、それこそ嫁入り前の
お嬢様としては、一番清楚で美しいことをご披露する場面です。
それを、何も遊女の真似をしなくても・・・と
お節介おばんは思ってしまいました。
こういうお約束事をご存じの上で「おあそびよっ」と
割り切っておいでなら、成人式はセレモニーなので
なにかのパーティーで、遊ばれることをお勧めします。
セレモニーと遊びの場を混同して「何でもいいのよ・・・」
では、大人として、社会人としての「けじめ」を
わきまえない人という事になりますね。