仙台市泉区友愛町サロンで、江戸しぐさをお話しいたしました。
15日、うっとうしかった雨も上がり気持ちの良いこの日午前中、泉区の友愛町の皆様が毎月おこなっていらっしゃる
「友愛町サロン」で、江戸しぐさを一つお話しさせていただきました。
この町内会の皆様にお会いするのは、実は二度目。
昨年「江戸の子育て」をお話しさせていただきました。
今年は「今どきの若いもんは」と、題して私の経験から新入社員の研修から見える家庭のしつけについて、お話しいたしました。
そうなんですね。いまどきは「しつけ」は、家庭では望めなくなってしまい「企業教育」になりつつあります。
家庭で年齢による序列を、子どもに実感させられなくなっています。
その結果、目上の人、年上の人への尊敬が育ちません。
尊敬どころか、古いものは役に立たない・・・と言う価値観で大人を見るようになっています。
ですから、年長者への尊敬語や丁寧語は、なかなか覚えられません。
言葉の感覚は9~10歳ころまでに躾けないと、大きくなってからではとんでもない努力が必要となります。
江戸しぐさの子育てで「九つ言葉」・・・と言ったのにはわけがあったのです。
また、今どきの若者はコンビニで題であり携帯世代です。
欲しいものは寸暇を待たずに、PCから検索してあっという間に手に入れることが出来ます。
しかも、ことばを必要としないで・・・です。
わからない事は「誰か」に聞くのではなく、「知恵袋」でありwikipediaで検索します。
先輩・上司よりも、yahoo知恵袋なのです。
これでは、コミュニケーションが生まれようはずがないのです。
注意を受けると、人格否定と捉えます。部分否定と全面否定の境界がはっきり認知できません。
だから、辞めよう・・と一気に走ってしまいます。
こんなお話しを中心に、江戸時代の子育て親と子の関係、家庭でもう一度取り戻していきたいコミュニケーション。
などのお話しをいたしました。
また、江戸に育った「どどいつ」という言葉遊びの数々をお楽しみいただきました。
論ごよみ読み吉原通い いわくは格子の中にある
あの人のどこがいいかと尋ねる人に どこが悪いといい返す
オコゼ女房が化粧で化けて かかあ天下の城にいる
ムフフフフと、思わず笑っちゃいますよね。
江戸は、こんな粋な言葉遊びがたんとありました。
260年、いくさの無い平和の中で人々は心をこめて、毎日を豊かに楽しく暮らす工夫をしました。
今この暮らしを楽しむ。
明日を思いわずらうことなく、身の丈の暮らし。立って半畳寝て一畳。
それでも金は天下の回り物・・・と、明るく笑って暮らすことを身上とする江戸の人々の心意気。
ものに囲まれものの中で暮らす現代が幸せなのか、身一つで暮らせた昔の暮らしの幸せが身の丈なのか。
こんな事を、考えるひと時のして頂きました。